東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の女性たちが2016年のえとにちなんで製作したサルのマスコット付きキーホルダーが好評だ。ファッションデザイナー芦田多恵さんの指導の下、イタリア製の高級布を使うなど品質の高さが売り。被災地の女性のやりがいにもつながっている。
 商品は「MINA-TAN CHARM(ミナ・タン チャーム)」。13年から町内でイヌやキリンなどのマスコットを作っている。サルは今月発売し、価格は1万6000円(税抜き)。高価ながら既に約150個以上を販売。計400個を出荷する予定だ。
 作業に携わる主婦西城いさ子さん(70)は「夜、集中して作っているとストレス発散になる。糸の引っ張り具合によって顔の表情が変わり面白い」と手作りならではの楽しさを語る。
 キーホルダー作りはNPO法人ハンズオン東京が発案し、仮設住宅での手芸品製作に取り組む「MSRスマイルプロジェクト」が協力。南三陸町の女性約15人が参加している。
 材料は芦田さんの服飾会社で余った生地やボタンを使う。細かいパーツをミシンを駆使してつなぎ合わせる。検品に通らなければ作り直すこともある。
 芦田さんは「製作も3年目を迎え、技術が上達した。復興支援で始めたが、今後も同志として製作を続けてほしい」と期待する。
 「タエ・アシダ」直営店や首都圏の百貨店で販売。インターネットや南三陸ホテル観洋でも取り扱う。